『湯シャン』って実際どう?経験者が語る『脱シャンプー』の現実
『髪』は人の印象を左右します。
「健康で美しい髪を保つにはどうすればいいか?」は、全世代共通の関心事と言っても過言ではありません。
そんな中、『湯シャン』という美容法が話題になったことがあります。シャンプーを使わず、お湯だけで髪や頭皮を洗うことで、美しく健康な髪と頭皮が手に入ると言うのです。
僕シンプルな美容法が大好きなので、すぐに湯シャンを実践しました。ネット上で様々なノウハウをかき集め、試行錯誤しながら湯シャンを研究しました。トータルで言えば1年以上湯シャンを実践しました。
この記事では、僕が実際に体感した『湯シャンの現実』についてお話しします。
湯シャンって実際どうなのよ? と思っている方は是非ともお読みください。
ちなみに、現在の僕は毎日シャンプーを使っています。
湯シャンはオススメできない
僕は『湯シャン』を他人におすすめすることはしません。
理由は、得られるメリットよりもデメリットの方が大きいからです。
様々な効果が語られていますが、僕にはほとんんど感じることはできませんでした。
頭皮の皮脂分泌量は他の部位と比べて「3倍以上」とも言われています。髪の毛があるので蒸れやすく汗もかきやすい部位です。
顔や胴体とは勝手が違います。
水洗顔(脱洗顔料)やタモリ式入浴法(脱ボディーソープ)を実践している僕でさえも、「頭皮だけは別物」という結論にたどり着きました。
最大のデメリットは『臭い』
『臭い』は最大の問題です。
髪のベタつきなどは徐々に改善していくのですが、臭いだけは増すばかり。
椅子から立ち上がるだけで、悪習が鼻を衝きました。
どうしても我慢できなくなりヘッドスパを受けに行ったのですが、臭いは落ち切らず、毎日シャンプーをし続けて1ヶ月後にようやく気にならなくなりました。
ヘッドスパを受けたときに美容師さんから聞いたのですが、20~40代の男性は皮脂の分泌量が多いので、シャンプーをした方が圧倒的に頭皮環境を清潔に保てるそうです。「できることなら2度洗いをしてほしい」と言っていました。
ちなみに、僕の父親は昔から1週間に1度しか髪の毛を洗わないのですが、30~40代の頃は枕カバーが皮脂汚れで変色しており、常に臭い状態でした。(子供の頃、ネタにしてよく笑っていました)思えば50代になった辺りから枕の変色はなくなっていましたね。
「湯シャンも続けていれば臭いも問題なくなる!」と言う人がいますが、湯シャンと臭いは切っても切り離すことのできない関係であると断言できます。
臭くなかったとしても、「臭ってないかな?」と心配することが精神的に負担にもなります。自分では気づきにくいですからね。
もちろん、湯シャンをしつつ頭皮の臭い対策をすることも可能ですが、そういう"誤魔化し"をするくらいなら、それならシャンプーを使ってしまった方が手っ取り早いと思います。
湯シャンのデメリットまだまだある
湯シャンには他にも様々なデメリットがあります。
僕が体験したものだけを挙げていきます。
痒くなる
頭皮が痒くなることは頻繁にありました。湯シャンを続けることで頻度は減っていきましたが、入念に頭皮を洗わなければ痒くなってしまいます。
頭皮が痒いとつい掻いてしまい、傷が出来てニキビなどの肌トラブルも起こってしまいます。「掻かずに我慢する」ということが基本かもしれませんが、無意識であったり、寝ている間に掻いてしまうこともあるので、言う程簡単なことではありません。
フケが出る
フケの量は湯シャンをしている時の方が圧倒的に増えました。鏡で頭皮を見ると、フケが溜まっているのがわかります。パサパサとした粉のようなフケです。シャンプーを使い続けることで消えていきました。
フケの減少は湯シャンの代表的なメリットの1つです。しかし、逆効果でした。理由はわかりませんが、他にも湯シャンによってフケに悩まされる方が多いようです。
抜け毛が増える?
ドライヤーで髪を乾かしている時に落ちる抜け毛の量や、枕についている毛の量が明らかに増えました。おそらくこれは、シャンプーで髪の毛を洗わなくなったことで抜けた毛が頭に残ったからだと思われます。
シャンプーを続けることで、床に落ちたり枕に付着する抜け毛の量が減りました。
整髪料が使えない
湯シャンをすると整髪料が使えなくなります。ワックスやジェルを使う方は多いでしょうから、大きなデメリットです。
お湯で落とせるオイル(ココナッツオイルなど)を整髪料代わりに使う方もいるそうですが、ガッチリ固めたい人には不向きです。洗い残しも気になりますしね。
時間がかかる
湯シャンで髪のベタつきが気にならないレベルまで落とそうと考えるなら、かなりの時間を要することになります。シャンプーを使用した場合、すすぎも含めて3分程度ですが、湯シャンでは10分以上かけていました。でないと、髪の毛がベタベタしたり痒みの原因になってしまうからです。
ブラッシングや頭皮の臭い対策なども加えれば、時間はもっと増えると考えられます。湯シャンのメリットに「時短になる」「シャンプー代が浮く」と言う人がいますが、彼らは本当に湯シャンを経験しているのか疑問です。
間違いなく時間もかかり、気にしなければいけないことも増え、使う道具も増えます。湯シャンが時短になるというのは大きな嘘だと僕は思います。
湯シャンは(少しの)メリットもある
湯シャンのデメリットについて話してきましたが、まったくメリットがないわけではありません。
少なくとも僕は「髪に艶が出た」と感じることができました。ただ、元々そこまで髪が痛んでいたわけではないので、大きなメリットだったとは言えませんでした。
時短にならない、フケが増えた、頭皮環境も良くはならない、臭い。以上のデメリットと比べると、湯シャンで得られるメリットはあまりに小さく感じます。
「髪がどうしようもないくらい傷んでいる」という人であれば、臭い対策を万全にしたうえで手間をかけて湯シャンをする価値はあると思いますが、そこまで酷くないのであれば、髪に優しいシャンプーを使いトリートメントなどでケアしてあげた方が時間も手間もかからなそうです。
ちなみに、薄毛への効果ですが口コミを見る限りでは「効果が無かった」という声が多いです。湯シャンをすると髪の毛がベタっとするので、逆に頭皮が目立ちます。
薄毛に関しては「何をしようがハゲる人はハゲる」という説が濃厚ですし、よっぽど頭皮に悪いシャンプーを使って、頭皮に負担のかかる洗い方をしていることが原因の禿でなければ、湯シャンでの育毛効果は期待できないと思います。
【結論】シャンプーを使った方が絶対に楽!!
臭いなどのデメリットや手間を考えると、湯シャン及び脱シャンプーは非常にハードルが高いと思います。というか、ハードルが高いから実践する人が少ないんですよね。
僕は、湯シャンから毎日シャンプーをするスタイルに戻してみて、「楽だな」と感じます。頭皮の状態も安定してきました。
おそらくですが、湯シャンで効果を感じられるのは以下のような人だと思います。
- 合わない成分の入ったシャンプーを使っている
- かなりの乾燥肌
そもそも肌に悪いシャンプーを使っていたら、使わなくなることで頭皮が改善するでしょう。極度の乾燥肌の人も、シャンプーによる皮脂除去が減れば頭皮の環境が改善していくはずです。
「湯シャンという難易度の高い方法を選ぶよりも、髪や頭皮に優しいく余分な成分の入っていないシャンプーを探した方が良い」と実際に湯シャンを経験して思いました。
それでも脱シャンプーにチャレンジしたいという場合には、シャンプーの頻度を2日に1回程度にするなどして様子を見た方が良いでしょう。僕も皮膚科の先生に勧められて1日おきにシャンプーしていましたが、それでも痒みやフケがでたので、しばらくは毎日シャンプーをすることになりそうです。
この記事が湯シャンに興味のある方の参考になればと思います。