14年ニートしていたら38歳になってた

働いてないけど、生きるのはけっこう忙しい。

あの視線に、応えない

父と母が言い合いを始めると、
父は決まって、僕の方を見る。

ヘラヘラとした表情で、
チラチラと何度も視線を送ってくる。

何かを言いたそうにしているわけでもない。
ただ、こちらの様子を伺うような目だ。

その視線が向けられるたび、
僕の体は少しだけ固まる。
咄嗟に目を逸らし、
無関心を装う。
下唇を噛んで、
言いたいことを飲み込む。

一度きりではない。
父は、母と意見が食い違うたびに、
いつも同じようにこちらを見る。

その視線は、
僕に何かを求めているようにも見える。
でも僕は、何も言わない。
視線も返さない。

これが正しいかどうかは分からない。
ただ、父が求めていることが、
僕の役割じゃないことだけは、はっきりとしている。

今日も、応えない。