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【実体験】急性アルコール中毒になり救急車で運ばれました

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※2015年に書かれた記事を2019年に加筆修正したものです。 

21歳の時(約10年前)に急性アルコール中毒で救急車に運ばれました。しかも、サークルのスノーボード合宿で行った長野県の旅館で……。当然、めちゃくちゃ多くの人に迷惑を掛けました。

この記事でお話しするのは、『急性アルコール中毒体験談』です。

僕がなぜ急性アルコール中毒になってしまったのか、急性アルコール中毒になるとどうなるのか、僕の身に降りかかった事実だけをお話しします。お酒での失敗例として反面教師にしていただけたら幸いです。

 

 

【体験談】急性アルコール中毒

 

深夜2時、僕は倒れた

 

見出しには「深夜2時」と書きましたが、いつ倒れたのか、いつ救急車で運ばれたのか、僕は全く覚えていません。

ここで書く話の大半は、記憶ではなく、人伝に聞いた話となります。

 

倒れた当日は、朝からスノーボードで雪山を滑り、夜には旅館の大広間で大宴会。大学生の合宿らしい催しを楽しんでいました。

主に飲んでいたのは大量に持ち込んだ缶チューハイ。普段からお酒に弱い僕も、「飲みやすい飲みやすい」と言いながら、積極的にお酒を流し込んでいました。

これが悲劇の始まりとなります。途中から記憶を失いました。

動き回り、暴れまわり、先輩方に暴言を吐きまくっていたそうですです。まぁ、この後にもっと色々と吐くわけですが…笑

あまりにも普段と様子が違うので、1人の先輩が心配して、「部屋に戻って寝ろ」と促してくれたのですが、僕はその場にバタンッと跪いて土下座をし、謝罪を繰り返した末に再び立ち上がって、フラフラとした足取りで部屋まで戻り、自分の布団に包まって眠り始めたそうです。

 

嘔吐!吐血!救急車!!

 

異変に気が付いたのは同部屋の後輩でした。僕は寝ながら嘔吐していたのです。

急性アルコール中毒で死に至るケースの大半は、寝ながら嘔吐したことで嘔吐物が喉に詰まり窒息死するパターンだそうです。

僕の命がもっとも危険だったのはこの瞬間だったことになります。

もし、後輩が気が付いてくれなかったら、気が付いたとしても放置していたら、最悪の事態になっていたかもしれません。

異常事態を察した後輩は、慌てて人を呼び、酔っていないメンバー全員が僕の介抱をしてくれました。

吐き続ける僕を抱きかかえトイレへと連れていき、便器に顔を突っ込ませる…

同期の一人は、上裸になりながら僕の頭を必死に支えていました、彼には申し訳なくて便座から頭を上げられません。

しばらくして、僕は突然、血を吐き始めました。これがキッカケで、救急車を呼ぼうと決心したそうです。

吐血の理由は、吐きすぎによって喉が切れたからであり、内臓にトラブルがあったわけではありませんでした。

 

救急車が到着し、救急隊員の方が僕の名前を呼んだ記憶が微かにあります。

これは聞いた話なのですが、救急隊員の方が「吐きそうになったらコレに出しなさい」と言って桶のようなものを渡してくれたらしいのですが、僕は「うるさい。やめて」と言ってその桶を払いのけたそうです。

 

見知らぬ天井

 

完全にエヴァンゲリオンの第弐話。気が付いたら知らない場所で、目の前には知らない天井がありました。そこで初めて、「やっちまった…」と。

ベッドの上、他の患者さん、左には点滴、枕元には謎の黒いシミ。

しばらくすると年配の看護師さんがやってきて、「アンタ!目を覚ましたかね!!」と親戚のおばちゃんみたいなテンションで話しかけてきました。「あんた!ほんとにバカだね!まったく!バカだよあんたは!」と出会って4秒でゴリゴリに説教をされました。このおばちゃん看護師さんには何度「ばか」と言われたわかりません。

「もう二日酔いみたいなもんなんだから、早く元気になって帰んな!!!」と言われ、「そうか自分は二日酔いなのか、なら早く帰らなきゃ」と素直に聞き入れたのですが、普通に気持ち悪いし、何だか体もダルいし、そのままベッドに横になると、「その黒い汚れ!!あんたの血だからね!!!!」とおばさん看護師さんから指摘され、黒いシミの正体を知ることとなりました。

 

出ない!尿が!!

 

急性アルコール中毒になって最も困ったことが、「尿意はあるのに尿が出ない」ということです。

ちょっと歩くだけでも膀胱から飛び出しそうなのに、いざトイレに行っても出ない……

15分くらい便座に座り続けて膀胱を押すことでなんとか尿を出していました。

この現象は、アルコールによって血管が充血し前立腺にむくみが生じることで尿が出にくくなる『尿閉』というそうです。

2,3日は続きましたが、その後は問題なく、出したいときに出せる喜びを噛みしめることとなりました。

 

参考:飲みすぎ注意!(尿閉・急性腎不全

 

迷惑を掛けた人に謝罪

 

精神的に辛かったのが、謝罪です。

多くの人に迷惑をかけたことをお詫びしなければなりませんでした。

しかし、記憶がない……

誰に迷惑をかけたのかも分かりません。

最初は、誰に謝罪すべきなのかを整理するところから始めました。

実家に帰ってすぐに、救急車で付き添ってくれた友人やサークルの代表に連絡。謝罪をすると同時に「〇〇が〇〇してくれた」「〇〇さんに暴言を吐いていた」などの情報を入手し、羞恥心と罪悪感に震えながら1人1人に電話をかけ謝罪と感謝を伝えました。

ありがたいことに、怒るどころか心配をしてくれる人ばかりで、この日ほど電話越しに頭を下げた日はありません。「こんな思いは2度としたくない」と、以後、お酒でのトラブルは起こさないと誓った瞬間でした。

 

「救急車まで呼ぶほどの事態を笑い話にできない」と、最初の内は急性アルコール中毒の話題を避ける仲間もいました。気をつかわせている感じが逆に申し訳なく、「とんでもないことをしてしまった」という思いに拍車がかかりました。

数か月経ってから笑い話のように語ってくれるようになり、僕としてはかなり救われました。

 

なぜ急性アルコール中毒になってしまったのか?

 

元々、お酒に弱い人間ではありましたが、記憶をなくすほど飲むようなことはありませんでした。その前に眠ってしまうか、体が受け付けなくなって嘔吐してしまうからです。

しかし、この時だけは意識を失うほどに飲んでしまい、自分がどういう言動をしたのか全く覚えていない状況になってしまいました。

なぜ、僕は急性アルコール中毒に陥ってしまったのか?

理由は2つあると思っています。

 

1つは、睡眠不足と疲労です。

急性アルコール中毒で倒れたのは合宿の3日目でした。1日目は移動で車内泊(ほとんど寝ていない)。2日目は朝から夕方まで雪山を滑り、深夜遅くまで仲間と語り合いました。3日目も朝からスノボを楽しみ、夜に大宴会。

ほとんど寝ていないうえに肉体的にもかなり疲労している状態だったのです。

ただでさえアルコールを分解する能力の低い僕の体は、疲労と睡眠不足で機能が低下し、普段以上の悪酔いをしてしまったのだと考えられます。

 

2つ目の理由は、缶チューハイです。

この宴会で主に飲んでいたのは、いわゆる『ジュースみたいなお酒』でした。アルコールが苦手で、大半のお酒は不味く感じる僕ですら、「これはジュースみたいだから飲みやすい」と感じていました。

「今日は、なんだか飲めそうな気がする」と思った記憶もあります。いつも以上にお酒を飲むペースは速かったかもしれません。

飲みやすいが故に飲みすぎてしまった

これが急性アルコール中毒になった大きな原因の1つです。

ちなみに、ビールのアルコール度数が3%なのに対し、缶チューハイのアルコール度数は5%でした。不味く感じて飲みにくいビールよりも、飲みやすいチューハイの方がアルコール度数が高いというのは多くの人(特にお酒に弱い人ほど)知っておいて欲しい事実です。

 

自己分析ではありますが、急性アルコール中毒に陥った原因は上記の2つであると考えています。

 

急性アルコール中毒で得た教訓

 

急性アルコール中毒になって以降、僕がお酒でのトラブルを起こしたことは1度もありません。

同時に、僕の周囲でトラブルが起きたこともありません。

急性アルコール中毒で倒れて学んだことは、大きな教訓として人生に活かされています。

 

  • コンディションが悪い時の飲酒には注意する
  • 「飲みやすい=飲める」ではない

 

すべての『お酒に弱い人』に伝えたいことです。

特に学生さんは、見栄を張って無理をしたり、「飲めば強くなる」という謎の理論で強引に飲ませたりすることが多々あると思います。

アルコールは危険であると理解し、各々の適量を守る意識を持って欲しいです。

 

また、「急性アルコール中毒は死の可能性もある」ということは絶対に認識しておいて欲しいことです。

僕の祖母は、「急性アルコール中毒が死に至るほど危険だ」という認識があったためか、僕が倒れたという報告を聞いた時から、とても心配してくれました。

アルコールでのトラブルは、多くの人に多大な心配をかけると言うことは、実際に急性アルコール中毒で倒れてみてわかったことでした。

 

誰かが急性アルコール中毒で倒れた時は?

 

もし、自分の周りで誰かが意識を失うほど酔いつぶれたら、適切に対応する必要があります。僕の場合は、寝ながら嘔吐していることに気が付いてくれた、救急車を呼んでくれた、この2つにより大事には至りませんでした。

しかし、もし吐いていることにも気づかれず朝まで放置されていたら……最悪の場合、命を落としていたかもしれません。

朝まで生き延びていたとしても、まともな状態でいられなかったことは容易に想像ができますし、翌日にバスで帰宅なんてできなかったと思います。本当に、適切な対応をしてくれたサークル仲間には頭が上がりません。

では、もし急性アルコール中毒で倒れた人がいた場合にどうするべきか?

 

  1. 放置しない
  2. 横向きに寝かせる
  3. 最悪の場合は救急車などを呼ぶ

 

特に1,2は重要です。先ほども述べましたが、急性アルコール中毒による死因の大半が、大吐物を詰まらせての窒息です。仰向けに寝かせてしまうと、窒息死する可能性を高めます。

酔いつぶれた人を布団に連れていったところでお役御免となることが多いですが、一番危険なのはここからです。

「すげぇ面倒くせぇ」と思いますよね。その通りです。そもそも意識を失うほどに酔わせなければいいのですから、その場にいる全員で節度を守ってお酒を楽しみましょうね。

 

まとめ

無理にお酒を飲んだり飲ませたりする文化がまだ当たり前のように存在しています。特に学生さんは何も考えずにお酒を飲んでいる人も多い事でしょう。アルコールの危険性を理解し、各々の体に合った量を楽しんでほしいと思います。

もし、急性アルコール中毒で倒れてしまうようなことがあれば、多くの人に迷惑を掛けてしまうことになるでしょう。自分が損をするだけではありません。

自分を守るため、友だちや家族を守るため、お酒に対する考え方を見直すきっかけにこの記事がなれたら嬉しく思います。